講師の高木です。
このコラムではスピーチを控えた皆様や
人前で話す皆様向けの記事を掲載しています。

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今回のテーマは「あがり緊張対策とスローダウン」

スピーチ、プレゼン、発表などでの
あがり緊張対策のご質問をよくいただきます。

私自身もラジオ局のアナウンサー時代、実況や災害報道など
幾度となく重圧下での生放送の緊張を経験してきました。

なので、あがり緊張で自分のベストの力が出せないときの
もやもやした不全感はよくわかります。

スピーチ、発表、話し方のお困りごとの大半が
メンタルの問題と関連している、とも私は思います。

症状の強いメンタル問題は医師の皆様らにお任せして
ここではアナウンサー視点であがり緊張を感じた際の
スピーチスキル=話し方・伝え方の技法を紹介したく思います。

有効な対処法の一つが、スローダウン。

それもご自身が驚くほどのスーパースローダウンが有効です。

緊張したら、黙る。立ち止まる。身体をほぐす。
そのようなイメージです。

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ところで皆様は「あがり」の手前
実は「あせり」が生じていないでしょうか?

あがり・緊張の時には多忙なケースが多いはず。

多忙さゆえに準備不足となり、あわててしまう。
あわてたために、ますますうまく話せない、…

そんな悪循環が生じることが多いのです。

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数分間の説明やスピーチの場合を例にとりましょう。

時間が無いときは早口になりがちです。

しかし早口で話しても短縮できる秒数は、
実は数分間のスピーチでわずか数十秒程度。

早口で気が晴れるのはご自身のみ。

周囲の方は
「早口の説明を聞いたけど理解しきれなかった。」
「印象も良くなかった」
となるのです。

話すことの目的は「伝える」こと。

早口でリズムよく伝えるのが良いとされがちですが、
これはバラエティ番組などの影響によるもの。

笑いを取るトークのリズムと、
メッセージを伝えるリズムは別です。

相手の理解を促すスピーチや発表の場では、
早口での時間短縮効果はごくわずか。
しかもメッセージを伝える効果が薄まるわけです。

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皆様におすすめなのが、スピーチや発表などの場で
3秒以上の「間」(ま)を置く意識です。

「間」(ま)の秒数は時に5秒、10秒となっても
むしろ好印象になることがあります。

この間(ま)は、沈黙となります。

多くの方は沈黙に耐えられず、何か話したくなりますが、
どうぞ口が動くのを少しこらえてください。

そうすることで心的な緩和と、互いの場づくり
ご自身の判断の時間が取れます。

次の言葉を出す際に、一度立ち止まる。
このアクションが大事なのです。

身体的には間を置くことで、リラックスに関与する
副交感神経が緩み、わずかながら表情にゆとりが出ます。

結果として、「落ち着きのある方だ」という印象への
一助となるのです。

この間(ま)の達人は、スポーツ界でも多くみられます。
その一人が、アメリカ大リーグで活躍したイチロー選手

現役時代のイチロー選手は、インタビューでも
言葉を丁寧に選びながら、間を置いていましたよね。
あのイメージです。

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緊張したら「スローダウン」。
あがる手前で「スローダウン」。

3秒や5秒、ときに10秒の間(ま)は、
皆さんが思うほど大きな問題ではありません。

「早く話せ!」という無言の重圧や心の声を、
一度脇に置くくらいで丁度良いことも多いのです。

皆様のご参考になれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)

この記事を書いた人

高木 圭二郎(たかぎ けいじろう) 

研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)

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