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令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた皆様に
お悔やみを申し上げるとともに、
被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
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講師の高木です。全国各地の自治体・公的機関で「危機管理・マスコミ対応研修」を行っています。
令和6年能登半島地震を受け、この情報をあらためて紹介したく思います。

今回のテーマは「被災地首長の24か条メッセージ」(画像はイメージです)

これは災害対応中の職員の皆様、関係者の皆様のヒントになるはずの情報です。

自然災害発生時には、必然的に業務量が増大します。
特に災害対応にあたる自治体、関係機関等では通常の業務量を大幅に超える作業量が生じ、
平時に出来ていたことも出来なくなるなど、至る所で機能不全が生じます。

そこで参考にしてほしい情報が、今回紹介する
「災害時にトップがなすべきこと」という条文集です。

内閣府防災情報のページ 紹介ページ
https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h29/87/news_02.html

本文PDFはこちら
「災害時にトップがなすべきこと」24か条  本文


この「災害時にトップがなすべきこと」は、過去に被災した経験を持つ岩手・宮城・熊本などの
被災自治体の首長が集まって作り上げた24か条のメッセージ集です。

題名は「トップがなすべきこと」となっており「首長から首長へ」のメッセージの様ですが、
よく読むと、自治体・関係機関の管理職はじめ現場で働く皆様にも多くの気付きを与える内容。
一般市民の皆様にとっても、防災意識向上につながる「被災地からの生の声」となっています。

その一部を引用させていただきます。

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「災害時にトップがなすべきこと」より抜粋

【Ⅰ 平時の備え】

2 自然の脅威が目前に迫ったときには、勝負の大半がついている。
 大規模災害発生時の意思決定の困難さは、想像を絶する。
 平時の訓練と備えがなければ、危機への対処はほとんど失敗する。

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【Ⅱ 直面する危機への対応 直面する危機への対応 直面する危機への対応】

4 住民やマスコミからの電話が殺到する。コールセンター等を設け対応すること

 被災前後は、電話が殺到し災害対策本部が機能不全に陥る。
 それぞれの部署が銘々に電話対応するのではなく、専門のコールセンターを
 設けるなどして、職員が災害対応に集中できる環境を整えること。

5 とにかく記録を残すこと。

 様々な記録は、必ずその後の災害対応に生きるので、被害状況、 
 対応状況、現場写真等、部署ごとに詳細な記録を取るよう命じておくこと。

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【Ⅲ 救援・復旧・復興への対応】

3 職員には、職員しかできないことを優先させること。

 職員の数は限られている。他からの応援があっても、
 職員がしっかりと受援体制を取ることができないと、効率的に機能しない。

5 記者会見を毎日定時に行い、情報を出し続けること。
 「逃げるな、隠すな、嘘つくな」が危機管理の鉄則。
 マスコミは時として厄介であるし、仕事の邪魔になることもあるが、
 その向こうに市民や心配している人々がいる。

 …災害後、被災住民にとって一番つらいのは世間から忘れ去られることである。
 …良いことも悪いことも報道されるが、たくさん情報発信のあった被災地に
 支援が集まる傾向がある。

11  職員を意識的に休ませること。

 災害対応は長期戦になる。休みや休憩を職員任せにすると、
 職員は他市区町村の応援者やボランティアに気兼ねし、休むことができず疲弊する。
 自衛隊は不眠不休だが、自衛隊員は交代で休んでいる。組織的に職員を休ませること。

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いかがでしょうか? 
危機管理の要点を伝え、そして多くの職員を生かす視点が詰まった
貴重なメッセージ集とも言えそうです。

近年の自然災害は巨大化・複合化の傾向があり、長期化の傾向もあります。

私はこのメッセージの中で、

「職員を休ませること」

と記載された点が印象に残りました。

災害対応にあたる皆様はその使命感から、不眠不休の対応になることがあります。
しかし管理職の皆様が意識的に休ませることで、組織の機能不全を防ぐ、との視点もあるわけです。
この視点は、長引く災害対応への有効策の一つとも言えそうです。

「被災地首長の24か条のメッセージ」は、官民問わず多くの職場で共有できる情報と思われます。
ぜひ多くの皆様がこの情報を共有され、より良い危機管理体制を構築していただければと考えます。

被災地の早期復旧を切に願っています。皆様のご参考になれば幸いです。
(講師:高木圭二郎)

【追記 2024年1月5日】
このコラムは2019年10月の「令和元年台風19号」の通過後に記しました。
2019年当時の文章を活かしつつ、2024年1月の「令和6年能登半島地震」の
状況に合わせて、加筆修正しています。


この記事を書いた人

高木 圭二郎(たかぎ けいじろう) 

研修講師・フリーアナウンサー トークレスキューNEXT代表
(元 茨城放送アナウンサー兼 ディレクター・報道記者)

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